●伝統芸能

【3つの郷土芸能を伝承】

戸数の少ない生出地区では古くから、神楽(かぐら)、剣舞(けんばい)、鹿踊(ししおどり)の郷土芸能が伝承されていて、それぞれ陸前高田市の無形民俗文化財の指定を受けています。

【生出神楽】おいでかぐら
明治前は神楽を舞うことのできたのは法印や神職だけでしたが、明治にこの禁が解かれました。そこで五穀豊穣の祈願と兵役についた同僚の武運長久を祈ろうと、26年に東磐井郡長島村(現平泉町)の菅原慶治、千葉清の神楽名人から伝授されました。南部神楽の系統に属し、神代ものが多く演じられます。 

【三ノ戸剣舞】さんのとけんばい
明治のはじめ、住田町の大山与五郎師匠から伝授されました。鎧剣舞の系統で、阿修羅踊系の仮面 をつけて踊る気仙地方独特の剣舞。薙刀や刀、扇による踊りがあります。 剣舞の由来は、今から約 800年前平家一族が壇の浦で滅びた後、源義経が兄頼朝 と不和になり九州へ逃げるために瀬戸内海を航行。平家の亡霊が現れ義経一行を苦しめた。この時、武蔵坊弁慶が経文を高らかに読み上げ亡霊を退散させた。その様子を踊ったものと伝えられていて、ササラが弁慶役となり経巻を振りかざしながら平家の亡霊を退散させて行きます。

【生出鹿踊】おいでししおどり
寛政12年 (1800年) に東磐井郡大原村 (現大東町) の行山流家元・山口屋敷喜左衛門 を師匠として習い覚えたと伝えらています。装束に伊達家由来の「九曜紋」などを用いている行山流山口派の鹿踊です。 行山流は、伊達の殿様に鹿踊を披露したところ大変喜んで「仰山なることよ」と言い、ほうびとして和歌二首と伊達家の家紋である「九曜紋」と「仙台笹紋」の使用を許された流派です。
  秋萩のしがらみ深くなりにけり 鹿の目に見ゆ声のさやけき  
陸奥乃信夫於志加能乃里 声遠呂比天遊不鹿耳毛 (みちのくのしのぶおじかの女鹿の里 声をそろえて遊ぶ鹿かも) 
 従来は、初盆を迎える家を中心に踊り歩きましたが、最近はアトラクションでの上演が多くなりました。  

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